坂本龍馬「財政の独立なくして 思想の独立はなく、行動の自由もない」を見て稼ぐ理由を考える
目次
1.5年前に書いた、ワードファイルの中身
思想の独立はなく、行動の自由もない
by 坂本龍馬
ビジネススクールでは大変お世話になりました、本当にありがとうございます。
今回少しばかり休業を頂くということで、簡単なお手紙を書かせて頂きました。(1度手書きで書いたのですが、やはり字が汚くて…)
冒頭の言葉ですが、スクールで聞いた以前から好きな言葉なんです(笑)。
「経済なき道徳は寝言である」であると二宮尊徳も言ってましたが、経済面、つまり自律して自立することを目標に30歳まで努めていきます。
今回、海外にいくのも自立への1つのフックになると思っての行動です。
知識武装するのも良しですが、どんどん行動できなくなる感覚がありまして、日本から出た事もなかったからか、良い経験だと思い、海外に脇目もふらず飛び込んでみます。
家族や会社といった拘束がない、若い身分だからこそ為せることです。
また、ビジネスとは「他人のため」でもあることを深く理解できたのは、スクールのおかげというより〇〇さんとの会話のおかげです。
東京オリンピックを迎えるころには客観的にも「立派」と言われる大人になってたいな~なんて思いながら・・・「ディナーを食べる」くらい言える状態になりましたら、またスクールに舞い戻らせて下さい(どうか受け入れてくだされば…)
赤羽にある「やまとの湯、バリスパ」という温泉のチケットがありましたので、一緒に付けさせて頂きます。多分、年中使えるチケットだと思います(笑)気がむいた時にアウディに乗って、息子さんと利用して頂ければと思います。
ではまた、SNSでも連絡させて頂きます、ありがとうございました。
2.財政の独立なくして 思想の独立はなく、行動の自由もない
この手紙の内容はべつに感動するものでもなければ、目新しいものもなく、ただのその人に向けてのお礼の文章だったんで、懐かしいなあ程度だったんですけれども、この言葉を見ると、少し思い返すものがありました。
坂本龍馬のことをしっている人は多いかもしれないが、この坂本龍馬の名言を聞いたことがある人はそんなに多くはないのかもしれない。
この龍馬の言葉に、当時大学生の僕はすごく感銘を受けた。
今でも外国人と話すとき、よく言葉につかえることが多い。ほんとはこーいいたいんだけど、英語が分からないので上手く伝えられないときだ。
このようなシーンと一緒で、今の自分の気持ちを言語化して表現できないことを、坂本龍馬がうまいこと代弁してくれたと嬉しくなった記憶がある。
なぜ、そのように嬉しく感じたかは明確には覚えていないが、その気持ち高鳴るあまり、周りの友人にも聞いてくれと言いまくっていたのは確かである。
ちょうどそのころ、僕は精神論がすきだった。
斉藤一人さんにハマっていたり、ショーペンハウアー全集をよんでいた時期だと思う。毎日近所の図書館にかよって哲学だったり歴史上の人物の本をいろいろと読んだりもした。
実際、これらの本はとても勉強になるだろうし、言っていることも間違ってはいないと思うし、むしろ正しいと思うことばかりだとは思う。
けれども当時の僕がこういった抽象度が高い本を読んだところで、目の前に広がる現実はすぐには変わらなかったし、変えることができなかった。
そこから、この龍馬の言葉と出会い、思想についてあーだこーだと言っているまえに、まず稼ぐべきだろうと思い立ち、精神論の世界から抜け出ることができた。
ここで迷いが晴れたのだろうか。僕はFXというジャンルで小さな小さな結果を出すことができたのだと思う。大学生という年齢でみれば、かなり大きな成功だったのだと思う。
3.精神論の世界にどっぷりと浸るひとたちを見て
成功哲学やスピリチュアルのセミナーのような世界に入ってみると、そこには借金をしてまでセミナーに参加したり、どうみても幸せではなさそうな人達がたくさんいる。
彼らが成功哲学やスピリチュアルの世界にふれることで幸せになったのかは本人達に聞いてみれば良い。きっとほとんどの人が「幸せになりました」と言うはずだ。
みんな自分の人生を良くしたい、もっと幸せになりたい、そして成功したいと願って参加しているのだから、そのように思わなければ、逆にセミナーに借金をしてまで参加する理由はないはずだから。
今、僕はマーケティングの世界で飯を食っている。
だからこそ言えるけども、そういった人達は、節操もないマーケター達の食い物にされる。いわゆるカモ扱いだ。
僕の前の職場にも、このような人がいた。
自己啓発セミナーにどっぷりとハマってしまって累計700万円の借金をしている。彼の言い分を聞いてみると、どうやら借金をしていることに何も嫌気はないようで、むしろ学びがあったことに幸せそうだ。
さらに聞いてみると、どうやらお金は家族からかりたたらしく、両親と兄、そして従兄弟からもかりたようだった。そのお金はいまだ返済できていないらしく、家族や従兄弟に顔向けできない状態が続いているようだった。
不思議なことに、それでも彼は幸せになったと言っている。
当然、僕はその彼を見て幸せだとは思わない。きっと家族は早くお金を返してほしいと思っているだろう。しかしそのお金以上に、息子に自立してほしいと願っているはずだ。
客観的にみれば、そのような彼の状況は幸せなようには見えない。しかし不思議なことに、肝心の当事者である彼は幸せだと言っている。
4.この世界は資本主義だからお金がすべて
大阪の関西国際空港でお好み焼きを食べてるときだった気がする。夕方15時のフライトだったので昼食をすましているときだった。
横には、30代中頃の男と、40代代前後の夫婦が座っていた。どうやら食べ物を食べずに、飲み物だけを注文して会話をしている。
男の話し声が店内に響き渡る。夫婦の反対に座ってその話をうなずきながら聞いている。どうやら、お金の稼ぎ方についての話みたいだ。
ご飯くらい美味しく食べさせてくれよ・・・という僕の思いとは裏腹に、大きな声が耳から頭にどんどん入ってくる。どうやらネットワークビジネスの勧誘みたいだ。
「この世界は資本主義だから、お金が一番大事なんですよ。」
という発言を何回聞いただろうか。きっと10回以上は言っていた気がする。
必ず最後にビックリマークがつくような話し方だった。
お前はカールマルクスの資本論を読んだのか・・・と偉そうに言うつもりもないのですが、彼が言っていたお金がすべてだということについては、2分くらい考えてしまった。
ちなみに、彼の稼ぎ方についてはどうでもよかったので聞いてはいないのであしからず。
冗談はよしとして、なぜ彼の言葉をすこし考えたかというと、僕がFXの世界で頑張っていたときに、同じようなことを周りに言っていたからだ。
僕はお金が全てだという人の意見にも、おおいに賛同できる。なぜなら僕はそういう思いで突っ走ってきたからこそ、FXで成功できたと思っているからだ。
5.目の前で借金をしている人への処方箋
借金700万円をしている元同僚の彼にたいして、成功哲学やスピリチュアルセミナーにいけば、稼げるようになるなんて僕は死んでもいえない。
だったら、今からスグお金を稼ぐ方法を教えてあげるほうがまだ良いとも思えるくらいだ。
ツイテルツイテルと毎日つぶやいていれば勝手に成功すると思い込んでいる人にたいして、「お金を稼げ、お金がすべてだ、今すぐ稼げ」と言ってあげたほうが、実は良いのかもしれないとも思ったりもする。
しかし、お金だけ稼げれば、それで幸せというわけでもないのは、数々の成功者の自伝を見る限り明白である。
商売で億万長者になった人のなかには、成功したけども健康を壊して病院暮らしになったとか。家族に費やす時間がなくて離婚してしまったとか。人間関係がめちゃくちゃになって裏切られたとか。
そうやって、お金を稼いだけども幸せではない人がたくさんいる。厳密にいうと、お金を稼ぐために何かを犠牲にしてきた人がたくさんいる。だから、お金だけ稼げれば幸せになるとも言えないのがこの世界の常だ。
6.誰のために、何のために。
確かにただ稼ぐことが大事だというのは、おかしい話だと思う。かといって、宗教や思想にどっぷり浸かったところで、人生が成功するとも毛頭思ったりはしない。
僕はこの数年、色々なクライアントと話す機会があった。
そこで感じたのは、稼いだ先の未来に何を得たいのかを考えてない人が多いと感じる。誰のために、何のために働き、お金を稼ぐのかを明確に決めていない人が本当に多いのだ。
「財政の独立なくして 思想の独立はなく、行動の自由もない」と発言した、坂本龍馬のバックボーンの背景を考えれば、今と違うところもあるでしょう。しかし、この言葉だけを切り取っただけでも明確に分かることがある。
それは、彼は財政のために、財政を行えと言っているのではないということ。思想の独立や、行動の自由のためには、財政の独立がまず必要だと言っているだけである。
つまり、ただ稼げといってる訳ではないということです。
僕達はどうでしょうか?誰のために何のために稼ぐのでしょうか?そういった意味を考えながら、昔書いた手紙を読み返し、僕は何のためにビジネスをやっているのだろうとふと考えたのです。
むかし、あるスクールの運営の手伝いを2年ほどしていて、その運営者にむけて書いたメッセージ。
キャッチコピーには、通販業界のランディングページのように、大きく目立つように書かれている。ここには坂本龍馬の言葉が引用されていたんだけれども、内容を見返して考えることがあった。ちょうど良い機会なので、そのままその内容を張っておきたいと思う。