孫子の兵法では学べないビジネス戦略と視点
本日は「孫子の兵法では学べないビジネス戦略」について見て行きましょう。
今日のアジェンダはこちらです。
1.彼を知り己を知れば百戦殆うからず2.ビジネスを成功させる3つの視点3.顧客知り、自社を知り、ライバルを知れば、百戦殆うからず
「孫子の兵法」は、紀元前500年ごろの軍事思想家「孫武」が残した兵法の書です。
孫子の兵法は、世界でも有名な軍事書物として読まれ続け、その内容はビジネスにも応用できるということで、数々の翻訳書・ビジネス書として日本でも取り上げられています。
本日は「孫子の兵法から学べないマーケティング戦略」ということで記事タイトルをつけました。(まあ少し釣りぎみのタイトルではありますが)
「彼を知り己を知れば百戦殆うからず」
という孫子の兵法のなかでも有名な言葉があります。
今回はこの言葉を題材にして、ビジネスを成功させるための視点を3つに分けて公開していきます。
1.彼を知り己を知れば百戦殆うからず
「彼を知り己を知れば百戦殆うからず」という孫子の兵法のなかでも、有名な言葉があります。
以下、原文です。
「彼を知り己を知れば百戦殆からず。
彼を知らずして己を知れば、一勝一負す。
彼を知らず己を知らざれば、戦う毎に必ず殆し」
もちろん兵法書のなかでの記載なので、そのまま訳すと
「敵を知り、自分のことを知れば、どんな戦も勝つことができる」
敵を知らず、自分を知れば、勝つこともあれば負けることもある
敵を知らず、自分を知らなければ、どんな戦も勝つことはできない」
という意味になるでしょう。
1-1.百戦殆うからずをビジネス的に翻訳する
では、これをビジネスで置き変えて考えみると
敵 = 見込み客、自分 = 自社
という置き換えをすることができます。
つまり、「見込客(顧客)を知り、自分達を知れば、どんなビジネスも成功する」
このように置き換えることができるわけです。
ただ、ここで一つ疑問なのは「敵 = 見込客なのか?」という視点です。
いやいや、見込み客というよりライバルのことだろと考える人は多いと思います。そもそも見込み客は敵じゃねーしと突っ込む人もいるでしょう。
なかには、見込み客というより顧客だろという人もいるでしょうが、それは狭義の意味ではそうかもしれませんが、広義の意味で一緒だと捉えていただければと思います。(笑)
ですから、この孫子の言葉を題材にすると
彼 = ライバル or 見込み客(顧客)
という2つの選択肢が出てくるわけです。
1-3.彼 = 自分以外の全て
上で「彼 = ライバル or 見込み客(顧客)」という2つの選択肢を出したわけですが、実際のところ自分以外の全てという定義をするのがよいでしょう。
つまり、こう言い換えるのです。
「自分の事を知り、自分以外のこと全てを知れば、どんなビジネスも成功する。」
自分以外のこと全てを知るなんて無理でしょ。と思わるかもしれません。
そうです。無理です。
というのも、ビジネスの失敗原因とは複雑に絡み合って見えないものだからです。そもそもビジネスは成功確率が高いものではないことを、私達は理解しなければけません。
ウォルト・ディズニーにしかり、ドナルド・トランプにしかり、ヘンリーフォードにしかり、ほとんどのビジネス成功者は一度は倒産したり、失敗をしています。
では、その失敗原因は何か?と言われても、明確に1つのことには断定できないでしょう。
例えば、凄いビジネスアイディアや!これはイケる!といった閃きが出たとき、勝手に一人で盛り上がり、さあテストしようといって、一気に駆け出す人がほとんどです。
そして・・・・失敗するのが9割以上。
こういった背景には、テストのやり方が悪かったとか、時代にそぐわないとか、ライバルがもう市場をとっていたとか、自分のリソースが足りなかったとか、色々な要因があるわけです。
1-3.自分以外の全てを特定する
もし、ビジネスで成功させるため「自分の事を知り、自分以外のこと全て」を知る必要があるとなったとき、何を知る必要があるのでしょうか?
もちろん、全て知ることは不可能です。しかし、知ることによって成功確立はあげることができます。知れば知るほど成功が近づきます。
100%成功が保証されたビジネスなんてありません。ビジネスは学校の試験みたいに正解があるわけではないですからね。
しかし、限りなくビジネスを成功に近づけるために「自分の事を知り、自分以外のこと全て知る」ということをしていく必要はあるでしょう。
それでは長くなりましたが、「孫子の兵法では学べないビジネス戦略と視点」についてお話しします。
孫子の兵法の「彼を知り己を知れば百戦殆うからず」を3つの視点に分解しました。
この3つの視点とは持って、ビジネスに取り組めば、成功を近づけることができるでしょう。
2.ビジネスを成功させる3つの視点
「彼を知り己を知れば百戦殆うからず」をビジネス的に分析すると、3つの視点に分解することができました。顧客面、ビジネス面、ライバル面の3視点です。
例えば、ビジネスを開始するときに皆が注目するのは「ビジネス面」です。
成約率とか、登録数とか、リスト数とか、販売数とか、売上とか、利益とか、そういったマーケティング上の数字ばかりを追いかけます。これはもちろん正解です。
しかし、それだけでは足りません。ビジネス面と同時に、顧客面や自社面を見つめる必要があります。
この3つを順番に見て行きましょう
2-1.顧客面(見込み客)
マーケティングの世界では、マーケットインという言葉があるように、「市場が求めているものを作れば、売れる」という概念があります。
ざっくりといえば、マーケットインは見込み客をリサーチしましょう、見込み客が欲しいものを聞きましょう。欲しいものがわかれば売れる商品がわかるでしょ?という考えです。
そのため、見込み客のことをリサーチしましょう!と当たり前のように言われる訳ですが・・・そう、当たり前。ですが案外疎かになりがちな部分です。
では、見込み客(顧客)にとっての価値はどこにあるでしょうか?例えば以下のようなものが思い浮かびます。
商品・サービス容姿・デザイン価格実績信頼・信用スピード品質
まだまだ考えれば出てくるでしょう。
こういった1つ1つの要素の卓越性が、顧客面にとっての価値となります。
2-2.ビジネス面
上にあげた顧客面に対しての価値を実現するためには、ビジネス面での卓越性を伸ばさなければいけません。
孫子の言葉でいうとビジネス面が「己」に街灯します。
ビジネスの強みを活かしたユニークなマーケティングを展開できるか?他社が真似できないビジネスモデルを構築することができるのか?絵に描いた餅にならないようなプロジェクトマネジメントができるのか?
顧客面での価値を叶えるためには、いろいろなビジネス面での卓越性が必須です。例えば以下のようなものが挙げられるでしょう。
マーケティングプロジェクトマネジメントビジネスモデル利益性技術・開発スピード人材
こちらも、まだまだ考えれば出てくるでしょう。
こういった1つ1つの要素の卓越性が、ビジネス面にとっての価値となります。
2-3.ライバル面
最後にライバル面です。
あなたのビジネスが顧客に選んでもらえる理由があるとすれば、それは「ライバル業者よりも高い価値を提供しているから」にほかなりません。
その価値とは「顧客面、ビジネス面」によってもたらされます。
顧客面、ビジネス面どちらもライバルよりも卓越しているなら、それはビジネスで勝つべきして勝つことになります。
では、顧客面、ビジネス面での卓越性はどうやってわかるのでしょうか?そのためにライバルチェック・リサーチが必須です。
「俺の市場はブルーオーシャンだから、ライバルはいない」
という人はこんな記事を見る必要もないでしょうが、ブルーオーシャン市場なんてほぼありません。だいたいどの業種業態もライバルがいますし、競争する業者がいます。
ライバルの動きをみれば、価格・製品・品質といった顧客面は見えてくるでしょう。実際にライバルの商品を購入すれば、ビジネス面も見えてきます。
ビジネスではライバルを上回る視点を持ちましょう。
3.顧客知り、自社を知り、ライバルを知れば、百戦殆うからず
顧客面、ビジネス面、ライバル面、この3つを意識して、ビジネス戦略を練りましょう。顧客知り、自社を知り、ライバルを知れば、百戦殆うからずです。