1. TOP
  2. プロジェクトマネジメント
  3. 具体的すぎるプロジェクトマネージャーのスキルと仕事内容

具体的すぎるプロジェクトマネージャーのスキルと仕事内容

今日のテーマはプロジェクトマネージャーのスキルと仕事内容について。

今回もプロジェクトマネジメントについての連載です。

優れたアイディアも企画も実行しなければ絵に描いた餅で終わります。アイディアを実現するプロジェクトマネジメントのスキルがリーダーには必須です。

起業家、経営者、管理者、プロデューサー、ディレクター、マネージャー…呼び方は色々とありますが、リーダーは黙って学べ!といわれているスキル。それがプロジェクトマネジメントです。(たぶん間違いないと私は思っていますが。)

今回のテーマは応用編です。「具体的すぎるプロジェクトマネージャーのスキルと仕事内容」です。

その前に、プロジェクトとはなんぞや?プロジェクトマネージャーとは一体何か?といった内容に関しては別記事に記載しています。必ず以下の2つを読んでから、この記事を読んでほしいです。でないと多分この記事の内容が附に落ちないと思うので。

●PMとはプロジェクトマネジメントの意味。どんな仕事も成功させるスキルだと断言する。

●プロマネとは成功請負人!プロジェクトマネージャーの役割と8つのスキル

この記事を読む人はビジネス中級者以上であると思うので、正直読まなくても理解できるのかも分かりませんが、理解を深めるために先に読んで欲しいと著者は思っています。(笑)

それでは以下のステップで学んでいきましょう。

1.計画(プロジェクトプランニング)
2.実行(プロジェクトの実行プロセス)
3.管理(プロジェクトマネジメント)

0.STEP0:復習(プロジェクトサイクル)

プロジェクトマネジメントの復習から入ります。

プロジェクトは以下の3つのサイクルから成り立ちます。

上のようなサイクルで常にプロジェクトは動いています。

・計画プロセス
・実行プロセス
・管理プロセス

計画プロセス、実行プロセス、管理プロセスです。

この記事でも書きましたが、プロジェクトマネジメントにおいて特に重要だとされるのは「計画」と「管理」です。優れた「計画」をたてて、実行しながら「管理」することが重要です。

そのため、プロジェクトマネージャーのスキルは「計画」と「管理」に重きがおかれるといっても過言ではありません。

以下の順番にプランニングを学んでいきます。

1.計画スキル(プロジェクトプランニング)
2.実行スキル(プロジェクトの実行プロセス)
3.管理スキル(プロジェクトマネジメント)

1.STEP1:計画(プロジェクトプランニング)

計画はプロジェクトプランニングとも言われます。

この計画には「企画」の(プロジェクト立案、コンセプトの決定)要素を含まれる場合がありますが、この企画の要素は含めていません。

既にあらかじめ何かしらのプロジェクトが決まっていて、あなたはそのプロジェクトの責任を任せれた「プロジェクトマネージャー」という前提で考えください。

それでは以下のステップで、具体的なプロジェクトプランニングの手順などを記載していきます

1-1.プロジェクトプランニングでの決めること
1-2.プロジェクトプランニングの注意点
1-3.プロジェクトプランニングのツール

1-1.プロジェクトプランニングでの決めること

まず、プロジェクトプランニングでは以下のようなことを決めます。

・全体目標を決める
・詳細なスケジュール設定
・タスク書き出し
・担当者設定
・KPI・マイルストーンを決める

順番に見ていきます。

1-1-1.全体目標を決める

目標がなければ何も始まりません。プロジェクトを成功させてどのように未来を描きたいのか?プロジェクトの目標がブレていると全ての歯車がくるってきます。決定した目標はあなたにモチベーションを与えるだけでなく、チームに活力と一体化を生み出します。

残念なのか幸運なのか「目標設定」は経験がものをいう世界でもあります。経験を積んでいくとプロジェクト規模・予算・リソース・期間だけみれば、限界値が分かってきます。しかしこればかりは経験がものをいう世界です。

そのため正直はじめは難しいかもしれません。上長にアドバイスを求めることもあるでしょう。しかし誰もが最初ははじめてのスタートです。プロジェクトに適切な目標をたてましょう。目標は上方修正も下方修正はしてはいけません。なぜなら、プロジェクトの成功とは「目標通り」に行われるべきだからです。

1-1-2.詳細なスケジュールを記載する

大きな目標は決まっら目標に沿ってスケジュールを決めます。いつ、集客をはじめて、販売を行うのか?といった具体的な日程を決めましょう。プロジェクトの記事でも伝えていますが、常にプロジェクトはスタートと終わりがセットです。プロジェクトのスタート日を決めなければ準備を始めることもできません。プロジェクトの終わりを決めなければ先が見えません。

見えないプロジェクトはプロジェクトではありません。絵に描いた餅です。まずはスケジュールを具体的に紙に書いて進めましょう。ポイントは「期限」を決めることです。リミットを設けなければプロジェクトはずるずると崩れていきます。その1日のズレが繰り替えされると、すべての日程が後ろにずれ、プロジェクトの失敗へと繫がります。

1-1-3.タスクを書き出す

プロジェクトの目標とスケジュールが決まったらタスクを書き出します。目標をスケジュール通りに達成するために何がタスクが必要なのか?すべてのタスクを書き出しましょう。

例えばプロジェクトの中に集客というカテゴリーがあったとしましょう。今回はアフィリエイト広告を使うという局面があったとします。その場合はアフィリエイトセンターの選定、決定、設定、アフィエイターのピックアップ、広告文の作成、アフィリエイターへの声掛けなどを行うタスクがでてきます。どこまで細分化するのかは後述しますが、担当者ベースでタスクに落とし込むことをオススメします。

3-1-4.担当者を書き出す

全てのタスクを洗い出したら、そのタスクを誰が行うのかを決めてください。起業家の場合は予算もリソースもなく、最初は全て1人でやることになるかもしれません。しかしチームメンバーがいるなら手伝ってもらいましょう。プロジェクトは2人以上のチームによって成り立ち、相乗効果により加速します。すべてのタスク、担当者を割り当てましょう。

このときに必要になってくるのはネゴシエーション、キャスティング、コミニケーションなどです。外部の人材にプロジェクトを手伝ってもらうためには、仲良くなるためのコミニケーションスキルも必要ですし、時には交渉して有利な条件で手伝ってもらうことも必要です。総合して適切な人材を配置するキャスティングのスキルが求められます。

1-1-5.KPI・マイルストーンを決める

KPIとは(キーパフォーマンスインジゲーター)の略です。中間目標(マイルストーン)みたいなものです。(言葉を1つに決めればいいのですが、両方書いた方が分かりやいかなと思って)上でタスクを書き出してみて分かったと思いますが、プロジェクトの規模が大きければ大きいほど、目標数値が大きければ大きいほどタスクが多くなります。

その分、メンバーの作業負担も大きくなる傾向があります。だからこそ、それらすべてのタスクには細かいKPIを設定するべきです。それぞれのタスクに数値目標・期限・監修・担当を設けましょう。

KPIも全体目標と同じで経験がものを言う世界です。最初はどのくらいの数値目標をたてれば良いのか分からないものだと思います。経験を積んでいくと適切な数値目標がつけれるようになります。まずは他人のアドバイスや前例を探して、無難な計画をたてることからはじめましょう。

1-2.プロジェクトプランニングの注意点

ここで、プロジェクトプランニングを行う際の注意点です。

上に記載した仕事を行う際に、プロジェクトマネージャーが気をつけなければいけない点をまとめました。以下の項目に配慮してプランニングをしていきましょう。

・計画に具体性が書けている
・プランニングに時間をかけすぎる
・人材のリソース不足
・リスクと不確実性を反映させていない
・計画の更新ができていない

順番にみていきます。

1-2-1.計画に具体性が書けている

プロジェクトプラニングの具体性が必要です。一つごとのタスクに期限を設け、コストやリスクを洗い出し、正確なスケジュール管理をする必要があります。

チームメンバーの全員が各々の役割を認識して、やるべき仕事をやっているのかを明確化されていないのであれば、プロジェクトプラニングの具体性が欠けていると言えます。

プロジェクトマネージャーは、プロジェクトの全体像を把握し、細分化したプロジェクトのステップ毎の部分もしっかりと管理できるようにしなければいけません。

1-2-2.プランニングに時間をかけすぎる

完璧な計画はありません。どこかでプロジェクトをスタートさせなければいけません。もしどうしても決断できないことがあるなら、妥協点を探してプロジェクトをスタートさせる能力も必要です。プロジェクトプランニングに時間を割くことは重要ですが、時間をかければ良いという訳ではありません。

例えば、上でマネージャーの仕事の1つにタスクに分解することをご紹介しました。タスクを分解すればするほど管理がしやすくなると思われがちですが、そうではありません。プロジェクトを細かくすればするほど、管理と修正が大変になるのです。

1-2-3.人材のコミット不足

プロジェクトマネジメントでは適材適所にチームメンバーや外注メンバーを組み込むことが多いです。このプロジェクトに組み込まれるメンバーには、プロジェクトを成功させるために賛同して、責任を担ってもらうようにしなければいけません。プロジェクトマネージャーはメンバーに適材適所のタスクを与え、そのメンバーに自分の責任をしっかりと理解してもらい、仕事に取り組んでもらうようにする能力が重要です。

1-2-4.リスクと不確実性を反映させていない

何かをするたびにリスクは常につきものです。時間的リスク、金銭的リスク、なにか1つの作業が増えることで、なにか1つ以上のリスクが発生しています。プロジェクトには不確実性がともなう出来事が発生します。

プロジェクトマネージャーは、もしも何かあったときのプランBやプランCという選択肢を考慮しなければいけません。たいてい失敗するプロジェクトでは、プロジェクトマネージャーがプランニングにおけるリスクや不確実性の重要性を考えてないことで起こりえます。

1-2-5.計画の更新ができていない

プロジェクトマネージャーは、今プロジェクトで何が起こっているのかを理解できるようにしましょう。そしてミスを一早く見つけて改善・修正しなければいけません。問題は早く見つけた分、より低いコストで簡単に修正できます。

そして、何かプロジェクトで変更があった場合は、常に計画も修正されなければいけません、最新の計画がなければ現状どういった状況で、どういった問題が起こっているのかを正しく理解はできないからです。プロジェクトは常に動き、常に変化し、常に出来事が発生しています。そのため、プロジェクトの計画も常に更新しつづけられる必要があります。

1-3.プロジェクトプランニングのツール

プロジェクトマネージャーに仕事の1つ、プロジェクトプランニングの仕事内容と注意点にみていきました。

ここで、プロジェクトプランニングで用いるツールをご紹介します。個人的に取り組んでいる内容なのでぜひ参考にしてください。

1-3-1.WBS(ワークブレインダウン・ストラクチャー)

上でプロジェクトマネージャーの作業分解の仕事をお伝えしました。

プロジェクトマネージャーは、プロジェクトでやるべき作業要素を一度すべてグループに分け分解していきます。そして最終的には一つのタスクになるまで分解します。

この作業をWBS(ワークブレインダウン・ストラクチャー)と呼びます、

WBSの目的は、プロジェクトをはじめる前に、すべての作業要素を特定し、分解して、全員に分かるようにすることです。

またどこかの記事でWBSについてはお伝えしたいと思いますが、ここで簡単に簡単に図系を使って説明します。

WBSで、プロジェクトに関するすべてのタスクを洗い出します。

1-3-1.WBSを使って作業分解する

例えば私がブログビジネスを開始する場合で考えてみます。

プロジェクト「広告で収益50万円を生み出すサイトを作る」

広告で収益50万円を生み出すサイトをつくるためには、まず目標を達成するためのすべての仕事を洗い出さなければいけません。まずはそのための主要タスクカテゴリーをすべて特定します。

プロジェクト「広告で収益50万円を生み出すサイトを作る」

この場合、以下のようなWBSを構成することができます

・キーワード精査
・サイト作成
・記事作成
・SEO対策
・広告対策

サイトを作るためには、まずキーワードを精査し、サイトを作成して、記事をつくり、SEO対策をしながら、収益を上げる広告の選定やテストをしていく必要があります。

もちろん、サイト作成には他のカテゴリがあるとは思うので、これは参考までです。

これをWBSで画像にすると以下のようになります。

一度カテゴリをすべて洗い出したら、今度はタスク分解していきます。ここでキーワード精査というカテゴリに注目してみてください。

上の画像で分かるように、「キーワード精査」というカテゴリの中に、以下のようなタスクが入っていることが分かります。

・コンバージョンキーワードピックアップ
・キーワードリサーチツール分析
・ライバルサイトをピックアップ

このようにタスクレベルをどんどん下層に下げていきます。そして誰が見ても1つのタスクだと分かるレベルまで下層に落とし込んでいきます。

これがWBS(ワークブレインダウン・ストラクチャー)です。

WBSの目的は、プロジェクトをはじめる前に、すべての作業要素を特定し、分解して、全員に分かるようにすることです。他の人でも一目瞭然になるようにWBSをつくっていきましょう。

WBSの作り方は人それぞれです。上の画像はマインドマップで作成しましたが、パワーポイントで作成しても良いでしょう。遷移表をつくったり、ダイアグラムでも好きに作ってみてください。これは自分なりの形を見つけてください。

1-3-2.WBSを使ってスコープする

WBSで全てのタスクを特定したら、今度はスコープの作業に入ります。

スコープとは以下の意味です。

スコープの意味ー直訳すると「視野」や「範囲」を示す言葉だが、プロジェクトマネジメントにおいては、そのプロジェクトで実施すべき内容の範囲を定義したもの。プロジェクトマネジメントの国際的な知識体系「PMBOK」では、スコープは二つの意味を持つ。成果物の内容を定義した「プロダクトスコープ」と、該当プロジェクトがどのような作業を含むかを定めた「プロジェクトスコープ」である。

スコープの意味は、特定されたタスクをさらに詳細にすることです。たとえば以下の要件を、WBSで特定したすべてのタスクに追加します。

1.担当者
2.監修者
3.時間
4.コスト

このスコープを図にするとこのようになります

こういった表を、エクセルシートでも何でも良いので作っておきましょう。タスク管理シートとも言われたりもします。

計画段階(プロジェクトマネジメント)では、このWBSを使いながらすべてのタスクを特定します。そして、スコープで正確な見積もりをたてることが重要です。

漏れがないように。それだけです。

2.STEP2:実行(プロジェクトの実行プロセス)

それでは次の段階、プロジェクトの実行段階にはいっていきます。

プロジェクトマネージャーが実行段階でやるべきことは、きちんとプロジェクトが進行しているかどうかを常にチェックすることです。
参考までに、以下のようなマネジメントの方法があります。

・スコープ・マネジメント
・リスク・マネジメント
・コミニケーション・マネジメント
・スケジュール・マネジメント
・ヒューマン・リソース・マネジメント
・クオリティー・マネジメント
・コスト・マネジメント
・プロキュアメント・マネジメント
・インテグレーション・マネジメント

頭が痛くなりそうですね。(笑)

ここでマネジメント(管理)の方法を語るのは長すぎるので(笑)また別の機会ででご紹介していければと思います。

今回は、この実行プロセスで重要なことだけお伝えします。

2-1.担当者マトリクスを作成する
2-2.定期的なMTGの開催

実行段階でまずやることは「担当者マトリクス」を作ることです。

そして定期的なMTGで情報をシェアすること。つまり、「誰が、何を」やっているのかを、チームメンバーが同士それぞれで認識し合うことが重要なのです。

2-1.担当者マトリクスを作成する

以下のような表です。これをメンバー全員に共有して把握してもらうようにしましょう。

タスクの担当者はだれか?サポートは誰か?を記載します。

またそのタスクの承認は必要か?誰への共有が必要か?監修は誰がやるのか?といったところまで記載できればベストです。こうすることで、プロジェクト間とメンバー間のなかで責任の所在がハッキリし、誰がどのタスクをやるべきなのかが一目瞭然になります。

実行ベースでは、これらのタスクの進展や進捗を、プロジェクトマネージャーが管理し、指示があれば出し、修正していく必要があります。

この修正するところは次の管理のフェーズに譲りますが、プロジェクトマネジメントの実行プロセスで重要なことは「プロジェクト」を止めないことです。

2-2.定期的なMTGの開催

プロジェクトプラナーの9割の仕事はコミニケーションから生まれるといっても良いです。

定期的にMTG(ミーティング)を積極的におこない、メンバー同士で直接進展報告・進捗報告をし合い、意思疎通をとり合あいましょう。

・オフライン会議
・オンライン会議
・メール伝達
・チャット連絡
・フォーム提出

様々なMTGの形があがりますが、しっかり情報伝達をするためにどれが最適なのかを選択してください。ここで1つ1つのMTGの開催方法について言及することは避けますが、チームメンバー全員をMTGに出席さることはとても大事です。

できれば朝に集まり、目的を見直し、現状の確認をして、問題と解決策を話合い、具体的な施策を打ち出し、そのための作業まで、もちろん期限や担当をつけて話します。

「毎日毎日メンバーを会議にさせていたら、大変だよ」と思われるかもしれませんね。確かにチームメンバーを会議に参加させれば普通に一時間経過してしまうこともあります。メンバー全員の時給を計算すれば、そのコストがわかるはずです。

しかし、そのくらいの価値があります。

MTGは短くするという考えがありますが、私はあまりそうは思いません。納得いくまで話合えばいいと思います。解決しないのであれば妥協点を見つけて前に進めればいいのです。

それを決めるのは、あなたプロジェクトマネージャーですから。あなたが進行、取り決め、決定、を握っています。

STEP3.管理(プロジェクトマネジメント)

プロジェクトマネージャーの最も重要な仕事は2つです。

すでにお伝えした計画(プロジェクトプランニング)。そして、今から話する管理(プロジェクトマネジメント)です。

以下のステップで早速学んでいきましょう。

3-1.プロジェクト管理の役割
3-2.プロジェクト管理の目的
3-3.プロジェクトマネージャーの3つの間違い
3-4.3つのプロジェクトマネージャーが持つべき視点
3-5.具体的なプロジェクトマネージャーの4つの管理項目
3-6.優れた情報伝達の方法
3-7.プロジェクトを軌道修正する方法

プロジェクトの目標を達成の道からそれないようにプロジェクトマネージャーは計画を管理してコントロールします。プロジェクトが計画からそれたことを管理して、再度プロジェクトをたてなおします。

3-1.プロジェクト管理の役割

プロジェクト管理の役割は、まさに戦場における軍師のようなものです。

軍師は、将軍の戦略や指揮を助ける職務を務めます。同じようにプロジェクトマネージャーはプロジェクトにおける戦略指揮をとり、プロジェクトを成功に導きます。

目標をたて、そこに辿り着くためのコースを描き、メンバーに指示を出し、動かし、前方に現れる障害を回避し、壁を乗り越えながら、成功へと向かう。

プロジェクトが目標からずれれば、すぐに軌道修正します。見方に指示を出すことはもちろん、状況把握をかかさず、現場をコントロールします。

3-2.プロジェクト管理の目的

プロジェクト管理の目的は、「計画通り」にプロジェクトを達成するためにあります。

最初に計画した目標からずれないように管理します。

期日、コスト、リソース、労力、ありとあらゆる部分において、はじめに計画した通りにプロジェクトが達成されるように管理しましょう。

レジ精算のように、1円の狂いもないようにプロジェクトを管理することができるのであれば、それは優れたプロジェクトマネージャーの証明です。

3-3.プロジェクトマネージャーの3つの間違い

これは私もよくやってしまうことで、ほとんどのプロジェクトマネージャーが悩んだことがある項目だと思います。

必ずやってしまいがちな、誤った3つの管理方法をご紹介します。

・自分でやる
・過度な期待
・口を出す

3-3-1.自分でやる

プロジェクトを管理する以上、ある程度スキルをもっている人がプロジェクトマネージャーになることでしょう。あなたもそうだと思います。そのためスキルをもっている自分の方が上手くやれるという事態がよく発生します。例えばデザイン業務を他のメンバーに任せることもできますが、自分もデザインスキルがある場合、それを自分でやってしまうケースです。

このように、自分のスキルがあるあまり、他のメンバーに任せるべきタスクも自分でやってしまうことがあります。そこにはびこるのは自分の方がうまくやれる、早くやれる、正確にやれるといううぬぼれです。しかしたしかにそうかもしれません。私もそうでした。

しかしプロジェクトマネージャーが実務作業をしてしまうことは、指示出しする人がいなくなることを意味します。戦場における軍師がいなくなれば、現場はコントロールが効かなくなります。プロジェクトも同様にプロジェクトマネージャーがいなくなれば、現場のコントロールは効かなくなります。

3-3-2.過度な期待

プロジェクトマネージャーたるものあらゆるリスクを考慮するべきです。いくら信頼関係がある人間に仕事を任せても、いくらスキルがある人に仕事を任せても、必ずうまくいくとは限りません。現場では何がおこるか分かりません。特に人への過度な期待は禁物です。常にリスクを考えて行動しましょう。信頼と期待は違います。

3-3-3.口を出す

タスクを任せた以上、細かいところに口を出すことはやめましょう。プロジェクトマネージャーは大局を見据え、プロジェクト全体が滞りなく進行することに着目しましょう。細かいところに口を出し続けてもプロジェクトが成功することになるわけではありません。

3-4.プロジェクトマネージャーが持つべき3つの視点

ここまで読んで、プロジェクトマネージャーが管理する項目は多いんだろうなと思います。しかしです。目の前の小さなタスクばかりを見つめていてはプロジェクトマネージャーの仕事はおさまりません。

軍師のように大きな視点をもつことが大事です。

プロジェクト管理における注意を払わなければいけない3つの視点があります。プロジェクトマネージャーは以下の3つの視点をしっかりと把握しよう。

1.計画と現状を常に対比する
2.あらゆる予測を怠らない
3.最終計画と現状の着地を比較する

3-4-1.計画した現在と実際の現在を対比する

「今」のプロジェクトの現状は、「計画したとき」の、プロジェクトの現状と比較してどうだろうか?計画通りにいっているだろうか?もし予想以下の計画なら立て直す必要があります。もし予想以上ならば、足下をすくわれないように足下を固めましょう。常に目標と現実を照らし合わせ、現状に狂いがないかチェックしましょう。

これから起こりえる「リスク」「出来事」「リターン」を予測しましょう。どんな事態が起こりえるか、プラスもマイナスも全て考え、察知することで、予測をたてることができます。

3-4-3.「計画した最終ゴール」と「現状のゴール」を比較する

「結わり良ければ全てよし」の訳ではありませんが、プロジェクトで計画した最終目標が達成されなければ、そのプロジェクトは失敗です。プロジェクトマネージャーは、現状このままいけば着地するゴールを考え、事前に計画した最終ゴールに辿りつけるのかを常に考えます。もしこのままで計画通りにいかないのであれば、計画通りに軌道修正しなければいけません。

3-5.具体的なプロジェクトマネージャーの4つの管理項目

3つの大きな視点を紹介しましたが、今度は小さな視点です。具体的にプロジェクトマネージャーは何をどのように管理するべきなのか?プロジェクトマネジメントにおける4つの管理項目をご紹介します。

3-5-1.スケジュール
3-5-2.コスト
3-5-3.リターン
3-5-4.クオリティー

3-5-1.スケジュール

プロジェクト中のすべてのタスクが計画された開始日/終了日通りに行われたか?をしっかり把握しましょう。また計画通りにタスクが進行されるように常に状況を確認をしよう。

3-5-2.コスト

プロジェクト中のすべてのタスク、必要予算・コストを見積もろう。そして予算通りの予算・コストでタスクが行われたのかを確認しよう。

3-5-3.リターン

それぞれのタスクが終了後、しっかりとそのタスクは役割を果たしたかどうか?機能性を発揮したかどうかを見てみましょう?例えば「メールを書く」を書くタスクなのであれば、メールを書いたことで、しっかりと計画した成果・目標が保たれたかどうかを確認しよう。

3-5-4.クオリティー

タスクは予想通りの「質」であっただろうか。そのタスクの質は、将来的にどのように機能していくのだろうか?質が低ければどうすれば何が足りなかったのだろうか確認しよう。

3-6.プロジェクトマネージャー情報伝達手段

上でもご紹介しましたが、プロジェクトマネージャーは常にメンバーと情報交換して、プロジェクトの進行状況を把握しましょう。様々なMTGの形がありますが、しっかり情報伝達をするためにどれが最適なのかを考えることも大事です。

・会議
・メール
・チャット
・テレビ電話MTG
・フォーム提出

3-7.優れた情報伝達の方法

上記のチームミーティングをしながらも、プロダクトマネージャは上手に情報を受け取らなければいけません。以下の要因を意識して情報伝達のスキルを高めましょう。

・情報の形式
・タイムリー性
・正確性
・信頼性

3-7-1.情報の形式

情報を受け取るとき、あなたが処理しやすいように受け取るようにしておきましょう。あらかじめ情報を受け取る形式を決めておくことは重要です。報告してほしいようなテンプレートやフォームなどを用意しておくと良いです。

3-7-2.タイムリー性

どんな食べ物も腐るように、情報も腐ります。常にタイムリーで最新の情報を受け取るようにしましょう。3日前の16時に終了したタスク報告は、3日前に受け取るべきです。金曜日の夜にタスクが終了したからといって、土日をはさみ、月曜にタスク完了報告を受けていては遅いのです。タイムリー性を意識しましょう。

3-7-3.正確性

情報の正確性を意識しましょう。着手した日時や終了日付、コストや時間など、具体的な数字を明確化して情報を受け取るようにしましょう。

3-8-4.シェア

私は情報はできるだけシェアした方が良いと思っています。もちろんメンバー全員に知らせるかどうかはありますが、ほとんどのプロジェクトメンバーの情報は共有しておくと、メンバー全員がプロジェクトについての「現在」について、より深い理解をえることができます。

3-9.プロジェクトを軌道修正する方法

プロジェクトが上手くいっているのであれば問題ありません。そのままプロジェクトを進行すればOKです。しかしプロジェクトに問題が合った場合はどうすれば良いのでしょうか?

もちろんプロジェクトマネージャーが軌道修正をしなければいけないのは明白ですが、どういった対処をしなければいけないのかをここに簡単に記載します。

3-9-1.計画通りにする
3-9-2.リソースを追加する
3-9-3.スコープを縮小する
3-9-4.別の方法を取り入れる
3-9-5.後で埋め合わせをする

3-9-1.計画通りにする

当初の計画からプロジェクトがズレるときは軌道修正をして、元の計画通りになるようにしなければいけません。チームメンバーの計画に反する行為に対してNOと言えること。拒絶する勇気が必要です。そしてその態度を貫くことが重要です。基本的にプロジェクトは計画通りに遂行するものであり、そうさせるのがプロジェクトマネージャーの仕事です。

3-9-2.リソースを追加する

問題が発生したときに「人を増やす・時間をかける・お金を投下する」といったリソースを追加して問題解決をはかってみましょう。リソースが追加された分、成功確率は上がります。ただ店員が多すぎる飲食店では暇になる従業員も発生するように、見返り「だけ」があるという訳ではないことを覚えておく必要があります。

3-9-3.スコープを縮小する

当初の計画段階よりも、成果物の「質」や「レベル」を下げることです。プロジェクト全体に支障を考えた上で、スコープを縮小していくことも時には必要です。

3-9-4.別の方法を取り入れる

最初の計画になかった新しい方法を取り入れます。より確実に、より早く、より質の高い方法をとりいれましょう。もちろん取り入れるときはそのリソースがあるか?コストは問題ないか?といったリスクは念頭にいれておきましょう。

3-9-5.後で埋め合わせをする

スグに問題解決しようとするのではなく、あとでその埋め合わせをするようにします。プロジェクトでは今すぐ解決しなければいけない問題も出てきたりします。そういったプロジェクト全体の動きを止めるような問題が発生した時は、あーだこーだと考えるのではなくスグ問題を解決して、後から埋め合わせをしましょう。

4.まとめ.開始と終了(キックオフと反省会MTG)

プロジェクトが終了したら、それで終わりではありません。

実はプロジェクトマネージャの仕事は「計画・実行・管理」の3段階の前後に、開始プロセスと終了プロセスが存在します。この記事ではこの2つのプロセスは便宜上記載しませんでしたが、なんとなく意味は分かると思います。

「開始プロセス」は、計画された出来事をチームメンバーに共有します。プロジェクト開始前のキックオフミーティングとも言われたりします。ここでメンバーの目標を一致させ、意識と団結力を高め、プロジェクトの士気を高めます。

逆に、終了プロセスでは反省会を行います。プロジェクトが終了したら、できるだけ早く反省会を開催して次のプロジェクトに繫がる反省点や改善点を洗いだしましょう。

このキックオフMTGと反省会は、プロジェクトの開始と終了にできるだけ行うことをオススメします。

5.編集後記.絵に描いた餅にさせない。

私はインターネットビジネス関連のビジネスでの経験がメインなので、その視点でプロジェクトマネジメントについて書いてます。農業や漁業をやっている人とは畑が違いすぎて、少し内容に誤りがあるかもわかりません。

しかし一貫して言えることは、プロジェクトマネジメントのスキルは必須ということ。目の前に優れたアイディアがあったとして、それを絵に餅にさせるのか?

はたまた、本当に実現させるのか?実現させるのであれば、何から着手して、どのように行動すればいいのか?

プロジェクトマネジメントスキルが、それを教えてくれます。

\ SNSでシェアしよう! /

ローンチ島の注目記事を受け取ろう

この記事が気に入ったら
いいね!しよう

ローンチ島の人気記事をお届けします。

  • 気に入ったらブックマーク! このエントリーをはてなブックマークに追加
  • フォローしよう!

関連記事

  • PMとは|どんな仕事も成功させるプロジェクトマネジメントのスキル

  • プロジェクトマネージャーの11の心得|スキルより重要なマインドセット

  • 使えるパーキンソンの法則。なぜ仕事や人生に期限が必要なのか?

  • プロマネとは成功請負人|プロジェクトマネージャーの役割と8つのスキル

  • ウェルスダイナミクスで自分の強みと弱みを把握しよう