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PMとは|どんな仕事も成功させるプロジェクトマネジメントのスキル

今日のテーマはプロジェクトマネジメントについて。

素晴らしいアイディアも行動しなければ結果にはなりません。つまり適切な実行プランが必要になってきます。そのためのプロジェクトマネジメントを学びましょう。

プロジェクトマネジメントを理解し、そのスキルを高めることで、成功請負人になれます。

そして、プロジェクトマネジメントのスキルは会社の管理職やリーダーポジションの人だけでなく、起業家や経営者にも必須のスキルだといえます。なぜならビジネスを成功させるためのスキルだからです。

今回は以下のステップでお伝えします。

1.プロジェクトとは?プロジェクトを理解する
2.プロジェクトマネジメントを理解する
3.具体的なプロジェクトマネジメントの方法

経営者・起業家にとってのプロジェクトとはビジネスを成功させること。

そのためビジネスをスタートさせればすぐにプロジェクトを実行し管理するマネジメントのスキルが求められます。

会社に属している方であれば、プロジェクトリーダー、ディレクター、事業責任者といったように呼ばれ、プロジェクトを管理し統率する能力が求められます。

私がはじめてプロジェクトを任せられたとき、上司に言われたのは

「このプロジェクト任せた」。

たったこれだけの言葉でした。

このように唐突にプロジェクトのリーダーや、マネージャーの仕事を任されたという人は多いのかもしれません。優秀な仕事をして活躍すればするほど、責任の大きいプロジェクトを与えられるの世の常です。

プロジェクトの責任者、そしてリーダーやマネージャー等に求められるのは1つ。

そのプロジェクトを成功させること。

しかし、「どうやってプロジェクトを成功させるのか?」「そもそもプロジェクトって何なのか?」ということは会社の誰も教えてはくれないと思います。

起業家や経営者になれば、いきなりプロジェクトマネジメントのスキルが必要になってきますが、その重要性を知らない人がほとんどです。プロジェクトマネジメントが大事なんて誰も教えてくれないからです。

今日はプロジェクトを深く理解し、プロジェクトマネジメントの全体像とその方法について綴っていきます。

1.プロジェクトとは?プロジェクトを理解する

プロジェクトマネジメントを理解する前に、プロジェクトの理解を深めましょう。以下の順番に解説します。

1-1.プロジェクトとはなにか?
1-2.プロジェクトの特徴を理解する
1-3.プロジェクト理解への盲点
1-4.プロジェクトサイクル
1-5.プロジェクトの成功とは何か?

プロジェクトマネジメントは名前通り、「プロジェクト」を「マネジメント」することからはじまります。まずは言葉の定義からです。

1-1.プロジェクトとはなにか?

プロジェクトとはなにか?Wikipediaで検索すると以下のように記載されます。

プロジェクト:プロジェクト(英: project)は、何らかの目標を達成するための計画を指す。小さな目標の達成のためのものではなく、大きな目標を集団で実行するものを指すことがある。その計画の実現のための個々のタスク(仕事)の実行までを含めて指すこともある。その計画の実現のための個々のタスク(仕事)の実行までを含めて指すこともある。Wikipediaープロジェクトマネジメント

プロジェクトと聞けば、8割以上の人が抱くイメージはあまり大差はないでしょう。プロジェクト自体の大小の規模はもちろんありますが、何かを成し遂げるための活動全体を指します。

ここで、PMI(プロジェクトマネジメント協会)が定義するプロジェクトとは何か?を見てみましょう。

PMIが制定しているPMBOK(第5版)の定義では、「プロジェクトとは、独自のプロダクト、サービス、所産を創造するために実施する有期性のある業務」プロジェクトマネジメント協会ープロジェクトマネジメント

つまり、「プロジェクト」とは始まりと終わりがある活動をさすのが分かります。逆に、永久的に続く作業や活動は、プロジェクトとは言わないのです。

後述しますが、終わりと始まりがあるということは、とても考えなので覚えておいてください。

1-2.プロジェクトの特徴を理解する

PMIの定義にあったように、プロジェクトの大きな特徴は、始まりと終わりがあることです。一旦ここでPMIが主張しているプロジェクトの特徴をまとめてみます。

・プロジェクトには明確な目標がある
・プロジェクトには必ずスタートがあり、ゴールがある
・プロジェクトとは継続的なものではなく一時的なもの
・プロジェクトはゴールに向けて遂行されるもの
・プロジェクトとは何回も行われるものではなく1回限りのもの
・プロジェクトは人間活動によって、遂行させれる活動
・プロジェクトは小さな活動(タスク)から最終的にアウトプット(成果物)になる

このような活動のことをプロジェクトと呼びます。

ほとんどの人が頭の中で抱いているプロジェクトとなんら変わりはないと思います。

1-3.プロジェクト理解への盲点

私が上の特徴を見て覚えてほしいことはたった1つだけです。

この1つだけ、しっかりと頭に入れておく必要があります。

・プロジェクトは始まりと終わりがあること

何度も繰り返して恐縮ですが、そういうことです。

だいたいの人がプロジェクトと聞いてイメージすることは同じですが、決定的に足りないのは、上に書いたように「はじまり」と「おわり」のイメージがないことです。

プロジェクトはゴールがあって、はじめてスタートされます。目的地がない旅行がないように、ゴールのないプロジェクトはスタートすることはありえないのです。

1-4.プロジェクトサイクル

では、プロジェクトの定義を理解したところで、プロジェクトの構成を見てみましょう。プロジェクトとは3つの構成によって成り立っています。

・計画プロセス
・実行プロセス
・管理プロセス

普通プロジェクトといえばこの3つが含まれると考えてもらえればOKです。

そしてこの3つがプロジェクト最中では以下のようなサイクルで常に動いています。

順番に見ていきましょう。

1-4-1.計画プロセス

計画プロセスでは、プロジェクトの構想を練り、戦略と戦術を決めます。そして予算、人材、日程、期限、目標…といったすべての決め毎を決めるプロセスです。プロジェクトは常に計画からスタートします。最初に素晴らしい計画がなければ、素晴らしいプロジェクトはできないし見返りもありませn。

1-4-2.実行プロセス

実行プロセスでは計画されたプロジェクトを実行していきます。その間、プロジェクトを実行しながらもデータを蓄積していきましょう。例えば思ったように進まないタスクや、数字として足りない部分などが分かってくるはずです。そういったやってみないと分からなかった、細かいデータを管理プロセスで分析します。

1-4-3.管理プロセス

管理プロセスでは実行プロセスで分かったことや、データを分析してプロジェクトを管理します。ここで不備があれば、実行プロセスは修正されるし、もともとの計画自体が悪かったのであれば、その計画を変更していく。プロジェクトトマネジメントにとって重要なフェーズです。

プロジェクトマネジメントにおいて、特に重要だとされるのは「計画」と「管理」です。優れた「計画」をたてて、実行しながら「管理」することが重要です。

1-5.プロジェクトの成功とは何か?

ここまでで、プロジェクトの定義をハッキリさせ、プロジェクトを構成している3つの要素を理解しました。

次は、プロジェクトが目指す目標について見ていきます。

プロジェクトの成功とは = ゴールのことです。

ビジネス上のゴールといえば、売上●円を達成するとか、●の雇用を実現するとか、●人の集客を達成するとか、そういった目標をたてることが多いです。しかしプロジェクトの成功は様々な側面から分析することができます。

目標を達成する方法は誰かが教えてくれるかもしれないが、その目標を決めることができるのは自分達だけです。同じように、プロジェクトの成功自体は自分達で決めなければいけないことなのです。

以下のように様々な側面からの目標をたてることができます。

なぜ私達はこのプロジェクトを行うのか?どのような目標を掲げ、どのようにプロジェクトを遂行するのか?といった目標を事前にたてることが重要です。

1-5-1.目標に対しての成功

当然プロジェクトをスタートさせる際には明確な目標があります。プロジェクトが終わった際に、最初に設定した目標は達成したのかどうか?プロジェクトは計画通りに行われたか?など。

1-5-2.ユーザーに対しての成功

プロジェクトはエンドユーザーにどのような効果をもたらしたか?ユーザの問題解決に繫がったか?ユーザーは期待通りにそれを利用しているか?など。

1-5-3.効率性や生産性としての成功

プロジェクトは適切にマネジメントされたか?メンバーのスキル・信頼や団結力は向上したか?チーム内のトラブルは適切に対処されたか?など。

1-5-4.ビジネスとしての成功

そのプロジェクトはビジネス自体にどのような影響を与えたか?プロジェクトを遂行することによりビジネスは以前よりも成長することができたか?など。

2.プロジェクトマネジメントを理解する

プロジェクトの定義をしっかり理解したところで、プロジェクトマネジメントについて理解していきましょう。

「その意味合いのままじゃないか」。「そんなこと分かってるよ」。

このように思われるかもしれませんが、プロジェクトマネジメントというのは、プロジェクトを成功させるためのスキルです。それ以下でもそれ以上でもない。だから重要なのです。

起業家にとっては、最初のビジネスを成功させるために、自分がリーダーとなりあらゆる実務作業をしなければいけません。プロジェクトにおける計画・実行・管理、その全てを1人で行うこともあるでしょう。

もし会社でプロジェクトを任せられた場合は、起業家と同じように起業家精神を求められ、現場で大きなリーダーシップを発揮しなければいけません。

2-1.プロジェクトマネジメントを定義する

まず、プロジェクトマネジメント協会の定義をご紹介しましょう。

先ほどもご紹介した、プロジェクト・マネジメント協会(PMI)では「プロジェクトマネジメント」を以下のように記載している。

「プロジェクト・マネジメント協会(PMI)では、プロジェクト・マネジメントを、「プロジェクト要件を満たすため 、知識、スキル、ツール、技術プロジェクト・アクティビティーへの応用」と定義付けている。」プロジェクト・マネジメント協会(PMI)

少し分かりずらいですが、プロジェクトを成功させるスキルだと覚えておけば大丈夫です。

3-2.プロジェクトマネジメントの歴史

プロジェクトマネジメントのスキルは、紀元前1540年前のエジプトのピラミッド時代から存在すると言われています。

何度もご紹介した「PMI (Project Management Institute)」が策定した書物、「Project Management Body of Knowledge (PMBOK)」の内容こそ、現在のプロジェクトマネジメントの基礎になっています。

このPMBOKは、最新の研究結果を元に4年毎に改定されおり、日本では、経済産業省(当時の通商産業省)のバックアップを受け、「P2M(プロジェクト・プログラムマネジメント)」という知識体系の資格があります。

優れたプロジェクトマネージャーやリーダーを育成するための資格です。

このような資格があること自体あまり知られていませんが、資格がある「学問」なのです。そういった意味でも学ぶべき価値がある分野だといえると思います。ここでは資格についてはふれませんが、興味がある人はこちらから見てみてください。

>> プログラムマネジャー・プロジェクトマネジャーの育成とP2M資格制度

2-3.プロジェクジェクトマネジメントの目的

プロジェクトマネジメントの目的は1つ。

プロジェクトを成功させることです。

・期限
・予算
・計画
・クオリティー
・顧客満足度
・売上
・目標

あらかじめ決めた、これらの項目を達成することがプロジェクトでは求められます。

プロジェクトマネジメントの概念が確立する以前は、プロジェクトのマネジメントはベテラン社員などの経験や勘がないとできないと思われていました。しかし、プロジェクトマネジメントという学問が体系だてられ、プロジェクトマネジメントのスキルを学ぶことができるようなりました。

そのため、現在では新入社員でも大きなプロジェクトを任されれることもあるのです。この記事を見ているあなたもそうかもしれませんね。

3-4.プロジェクトマネージャーに進化する

基本的に、プロジェクトは1人のリーダ(プロジェクトマネージャ)と複数のメンバーから構成されます。

その呼び方は、プロジェクトマネージャーと言われたり、リーダーだったり、責任者だったり、ディレクターだったりと様々です。また、プロジェクトマネージャーのことをPM(ピーエム)やプロマネと略して言われたりもするようです。

・プロジェクトマネージャー
・プロダクトマネージャー
・プロジェクトリーダー
・プロジェクトディレクター

名称は様々ですが、目的は1つです。プロジェクトを成功させるための責任者だということ。

それででは、プロジェクトマネージャーについて深掘りしていきます。

3.具体的なプロジェクトマネジメントの方法

で具体的にプロジェクトマネジメントでは何をすればいいのか?を解説していきます。

3-1.プロジェクライフサイクル

すでにプロジェクトの3段階を説明しました。

計画・実行・管理の3段階です。

プロジェクトマネジメントでは、上の3段階を管理する必要があります。 そのためプロジェクトマネジメントでは以下のような流れが常に動いていることを頭にいれておこう。

・計画プロセス プロジェクトの構想を練り、戦略と戦術を決める。
・実行プロセス 計画されたプロジェクトを実行していく。
・管理プロセス データを分析してプロジェクトを管理する。

繰り返しになりますが、プロジェクトマネジメントにおいて特に重要だとされるのは「計画」と「管理」だということを覚えておきましょう。

3-2.プロジェクトマネ−ジャーの主な仕事

プロジェクトマネージャーが行うことは上にあげた「企画プロセス、計画プロセス、実行プロセス、管理プロセス、完了プロセス」を管理することです。

もし、あなたが起業家で人に仕事を振る予算もなく人もいないのなら、上にあげたプロセスの実務まで全て自分で行う必要があります。ただ基本的には、チームメンバーに実務をこなしてもらいながらこれらのプロセスを管理することがメインになります。

そのため、プロジェクト・マネージャーは、

・企画(プランニング)
・計画(スケジューリング)
・管理(マネージング)

それぞれの「目標、スケジュール、リソース、タスク」などの要素をすべて視覚化する必要があります。プロジェクトマネージャーは、このような計画をしっかりと行い管理しましょう。

具体的にいうと、プロダクトマネージャーの仕事は以下のようなことがメインになります。

・プロジェクトのアクティビティーを特定する (タスクやステップ)
・プロジェクトのアクティビティーの順番と期間を特定する
・プロジェクトのリソースを整備する (スタッフ、機材、材料、技術、設備、お金)
・プロジェクトの進捗状況を監視できるようにする(監視体制)

これらのタスクを分かりやすいように以下に記載しました。

3-3.プロジェクトマネジメントの10ステップ

プロジェクトマネジメントを任せられたときの流れを記載しておきます。ここではプロジェクトマネジメントを成功させるための10のタスクを、ステップ毎に記載しました。ぜひ参考にしてください。

3-3-1.STEP1.【計画】見込み客の問題を把握すること

プロジェクトの形態は様々なものがありますが、ビジネスである以上基本的には顧客のためにプロジェクトはあるものです。プロジェクトは、顧客にとっての問題を解決するものではないといけません。まずは見込み客の抱える問題やニーズを特定して、できるだけ文章化してみましょう。

3-3-2.STEP2.【計画】最高の解決策を用意すること

1で吸い上げた顧客の悩みを解決する「最高のソリューション」を決めましょう。そしてこのソリューションをどのように顧客に提供していくのか、その戦略を決めましょう。

今回のプロジェクトでは、どういった集客方法で、どのように販売し、アフターサービスを提供して、顧客満足度を高め、会社とプロジェクトメンバーに成長をもたらすか?これらの戦略を決めていきます。

プロジェクトの失敗の大半はソリューションジャンピングが原因だと言われています。ソリューションジャンピングとは、顧客のことを理解せずに解決策を考えてしまうことです。まずはしっかりと顧客のことを理解するようにしましょう。

3-3-3.STEP3.【計画】プロジェクトの目標を決めること

プロジェクトを通してのありとあらゆる目標を決めましょう。顧客面、売上面、プロジェクト面、会社面、社会面、あらゆる側面での成功を定義して目標を洗い出しましょう。私達にとっての成功はなにかを決めます。プロジェクトが終わったとき、様々な面での成功が約束されるようにしっかりとした綿密な計画をたてます。

3-3-4.STEP4.【計画】すべてのタスクを洗い出すこと

目標が決まったら、それらの目標を達成するためにどのようなタスクが必要なのかすべてを洗い出しましょう。マーケティング・サポート・セールス・企画…一度細かいタスクまで書き出すことが重要です。

3-3-5.STEP5.【計画】タスクをフロー化してリソースを集めること

STEP4で書き並べたタスクを時系列に並べてみましょう。するといつまでにどういったタスクが必要なのか、完了されているべきなのかが分かるはずです。もちろんすべてのタスクを自分1人で行うことは大変でしょう。期限内までに必要なタスクを洗い出したら、それらのタスクが実行できるようにリソース(人材・資金・ツール)を確保しましょう。

3-3-6.STEP6.【計画】スケジュールを確定させること

STEP5で、タスクを洗い出し、リソースを確保できたら、明確なスケジュールを決めましょう。そして明確なスケジュールをメンバーにシェアしましょう。ここでは一つ一つのタスクに明確な期限を決め、それぞれの担当者が必ず期限を遅れないよう、予算を超えないようにしなければいけません。あなたは最初に決めた期限が破られないように、プロジェクトを管理する必要があります。

3-3-7.STEP7.【計画】費用を見積もり、予算を確定させること

プロジェクトには予算が与えられます。「このタスクにはいくらまで使っていいか?」「このタスクにはどこまでお金をかけれるか?」そういった金銭面のディレクションは、すべてプロジェクトマネジメントをする人が決めます。目標を達成するための費用を見積もり、予算を確定させます。もし目標を達成するために用意された予算では足りない場合は、資金を集めることもプロダクトマネージャーの仕事の1つです。

3-3-8.STEP8.【計画】リスクを考慮すること

どんなプロジェクトにも予想外の出来事が発生します。何かをすることは、何かを失うことにも繫がります。すべてのタスクにリスク・リバーサルの関係があることを忘れてはいけません。もしも大きな問題が発生したらどうするか?その計画をたてておくことが重要です。PlanB、PlanC(プランB、プランC)といった選択肢を事前に用意しておきましょう。

3-3-9.STEP9.【管理】プロジェクトをコントロールすること

この作業が最も時間を使います。プロジェクトをコントロールして、計画を修繕しましょう。実際のところ計画通りにいくことは100%ないです。常に現状を把握して、計画を修正できるような状態をつくっておきましょう。そして的確な指示をメンバーに与え、プロジェクトが悪い方向にいかないように軌道修正する必要があります。

3-3-10.STEP10.【管理】プロジェクトを終了させること

プロジェクト終盤こそ大きな危険が眠っています。プロジェクトの終わりには、ゴールが見えかけた影響なのか、必ずチームメンバーが怠惰になることがあります。そういったときに、最後まで気を引き締めてプロジェクトを終了させる力も必要になります。プロジェクト終了後も、チームメンバーに改善案や、問題点を共有して、次は更に良いプロジェクトが進行できるように反省を行うことも重要です。

3-9.プロジェクトが失敗する8つの原因

気づいたと思いますが、上でご紹介した10のステップは「計画」と「管理」しかありません。

プロジェクトマネジメントの視点からいうと、実際に実行することが目的なのではありません。計画通りにプロジェクトを遂行することが大切です。最後にプロジェクトが失敗する原因を8つを記載してみます。

3-4-1.計画・見積もりの甘さ

私が思うプロジェクトが失敗する原因は8割がここにあります。プロジェクトの計画が不備なもので、プロジェクトが成功する訳がありません。まずはしっかりとした計画をたてることが重要です。企画から戦略、スケジュール、予算、人材、管理..などなど、上で記載したSTEPの計画をしっかりとたてましょう。

3-4-2.管理不届き

プロジェクトを完了させるためのタスクの質は大丈夫か?ミスはないか?といった管理が必要です。基本的に1つ1つのタスクには、必ずチェックや監修を設ける必要があります。重要なタスクであれば二重チェックや、ダブル監修体制で行ってもいいのですが、その体制をまずつくっていることが重要です。

3-4-3.不適切な配置

タスクを人に任せるときに、自分の想定よりもレベルが低い仕事が行われるときがあります。初歩的なミスくらいであれば修正できますが、そもそものクオリティーが低い場合はスキル不足の可能性が大きいです。その場合は、不適切な人材配置が原因です。人に仕事をお願いする際はしっかりと人を見極めた上で仕事をお願いする必要があります。

3-4-4.メンバーへの過信

プロジェクトは人間によって成り立つアクティビティです。だからこそ人を信頼することが重要です。ただ信頼しすぎは禁物です。あの人は仕事が早いから、とか、仕事ができる、といった過信は危険です。プロジェクトを成功させるためだけのことを考えましょう。タスクには必ず期限と基準を設け、しっかりとした仕事を行ってもらうように取り組んでもらわないといけません。

3-4-5.コントロール下にない変更

プロジェクトマネジメントの管理はあなた自身が行うものです。つまり、あなた以外の指示で勝手に体制が変更されたり、あなたの見ていないところでプロジェクトの内容が変更されることは避けるべきです。このような勝手な変更がない体制をつくることもプロジェクトマネージャーの仕事の1つです。

3-4-5.過度な拡大

プロジェクトマネジメントの目的は、計画通りにプロジェクトを遂行させることだ。「計画通り」というのがポイントだ。プロジェクトが上手くいっているときによくある傾向だが、売上を増加させるために、元々計画にはなかった戦術を取り入れてしまうことがある。こういった計画範囲外の戦術を取り入れたりするすることは、あまりよくない。なぜなら、計画通りにプロジェクトが進行すれば、プロジェクトは成功するからだ。あくまで計画をそれるようなタスクを無理矢理追加するべきではない。

3-4-6.不十分な指示

プロジェクトの基本的な指示から、複雑なクリティカルな指示まで、しっかりとメンバ−同士でイメージを共有しましょう。プロジェクト内容を理解してもらうためには、テキストだけではなく、直接メンバーの顔を見てのMTGや、オンラインビデオを使ったMTGなど、定期的にすり合わせを行う必要があります。毎日やっても良いくらいです。

3-4-7.政治的手腕

プロジェクトは複数のメンバ−が関わりあう以上コミニケーションスキルが必要です。仕事のお願い一つで、言い方や、頼み方は変えなければいけません。年齢が1世代、2世代、以上の人への仕事の依頼と、新人への仕事の依頼方法は変わります。もちろん外部とのやり取りでも交渉が必要な場面が発生しますし、自社の案件を優先的にやってもらえるように仕事以外でも仲良くなるといった政治的な力も求められます。

4.まとめ

プロジェクトが失敗する原因も、計画プロセスや管理プロセスにあることがほとんどです。プロジェクトマネジメントにおいて重要なのは「計画通りに遂行することなのですから。

飲食店の営業後に行う会計と同じです。そこに狂いがあってはいけません。プロジェクトも同じように、計画通りに遂行されなければいけません。

5.編集後記:プロジェクトマネジメントという学問

プロジェクトマネージャーというのは辛いものです。プロジェクトに対する熱意や責任感がないとやっていけない仕事だと思います。しかしそのぶん見返りがあります。喜び、哀しみ、いろいろな経験がそこにはあると思います。

この、プロジェクトマネジメントが学問でもあることは案外というか当たり前のように知られていません。そもそも学校ではこういったことは教えてくれないし、会社の上司も知らないことだと思います。

しかし、今からプロジェクトマネジメントを学ぶのであればチャンスですよ。

学問ということは、体系立てられていることであり、方法論であることを意味します。学べば上達するものであり、経験すれば更に上達します。学問として体系立てられている場所があるのですからね。そこでしっかり学び、現場で経験を積めばいいと思うのです。

昔は、そうやって学ぶことさえもできませんでしたからね。今の時代は便利なものです。インターネットでささっと勉強できるのですから。

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